9日目/フィジー

【現在地】フィジー・ナンディ(Tanoa Skylodge Hotel)/気温28℃


【訪問した国の数】3カ国


【フライト】計5回


 11時、ホテルを出発してマーティンタール地区に向かった。先日訪れた海岸の様子を見るためだ。前回は曇天だったが今日はよく晴れている。美しい景色を一望できることだろう。地図を頼りに歩くこと1時間、やっと砂浜に着いた。うーむ、いまいち。この海岸はワイロアロア・ビーチと呼ばれ、近くには何軒か宿泊施設もあるのだがそれほど綺麗ではない。ただ、木陰で休んでいる地元住民が何人かいたから休憩には向いているようだ。


 12時半、クイーンズ・ロードに戻り大黒(だいこく)で昼食。大黒はオセアニアの各地に店舗を持つ日本料理店で、特に在留邦人や外国人観光客から支持を得ているそうだ。日替わり定食を注文し、ひさしぶりに和食を頂く。美味かった。その後、ローカルバスに乗ってメインストリートに向かった。名物の窓なしバスはクイーンズ・ロードを頻繁に走っており、ボディのデザインは様々だ。料金は乗車時に支払い、降りるときは窓枠の上部にあるヒモを引っ張って鈴を鳴らす。運転手はそれを聞いてブレーキを踏む。実に長閑な方式だ。なお、マーティンタール地区からバスターミナルまでの料金は0.7FJD(約32円)、所要時間は10分くらいだった。


 13時半、バスターミナルから数分歩いてメインストリートに出る。だが、周囲は異様なほど静かだ。普段は混んでいるのに車が全然走っていない。それに沿道のレストランや銀行が何軒も店を閉め始めている。休日のためゴーストタウンと化したスバの風景を思い出した。よく見ると警察官が出動し、通行車両を迂回させている。道端に立って周囲の様子を伺う警察官もいる。何か事件でも起きたのか。


 近くの学生に尋ねたところ、やっと理由が判明した。14時から前大統領の葬列が執り行なわれるというのだ。そう言えば、スバでは前大統領の逝去を悼む横断幕が数カ所で掲げられていた。またとない機会だから自分も参加しよう。だが、14時を過ぎても始まる気配はない。警察車両がメインストリートを行き交うだけだ。その後、15時以降に時間が変更されたという情報を耳にした。


 15時半、メインストリートに先導車両が進入した。ゆっくりとした速度で空港方面に向かっている。そして数分後、警察のバイクに続いて前大統領の棺を安置した特殊車両が目の前を通過した。歩道の少し外側では子どもたちと警察官が背筋を伸ばして屹立し、無言でそれを眺めていた。一行が姿を消すとただちに警戒が解かれ、メインストリートはいつもの風景に戻った。前大統領のジョセファ・イロイロ氏は2月6日に90歳で亡くなったという。ご冥福をお祈りします。


 17時、買い物をしてからラウトカ地区行きのバスに乗車。夕方だから乗客は多かったし、途中から乗り込む人もまた大勢いた。バスターミナルからホテルのあるナマカ地区までの料金は1FJD(約46円)、所要時間は20分ほどだった。


 明日はキリバスを経由して幻の国、ナウル渡航する予定だ。ビザはまだ取得していない。不安は多いが、やってみよう。


【参考】1FJD(フィジードル)約46円